2015年3月9日月曜日

私大医学部小論文の傾向


ご無沙汰しております。

小論文のblogです。
久しぶりになりましたが、早速ですが、小論文入試にはいろいろな形式があります。

今回はその形式ごとに、まとめてみます。


1.「テーマ題」
たとえば「壁」について自由に書け(もう少し長い設問もある)、というような問題があります。
これは、見た目は簡単に見えるが、じつは難問自分でテーマを絞り、具体例を提示するというのはなかなか難しい。
解答例を作れといわれても、 ちょっと悩むところでしょう
実際に答案をみても、ほとんど差がつかず、しかも面白くないものが多発しています。
大学側が何を求めているのかによるが、なかなか書きにくいものです。

2.「課題文自由論述」というタイプ。
ある程度の長さのあるものを詠ませて、自由に自分の考えを論じさせるもの。
小論文の王道です。
といっても、現在では要約のあるものが多いため、最も多いとは言えません。
ただ、課題文の内容を読解して、自分なりのテーマ設定を行い、具体的に説明し、6001000字を展開させるというのは、教えるにも、学ぶにも、やはり重要な問題のタイプでしょう。
ちなみに、現実の受験では、私大医学部私大看護医療系推薦入試などに多くみられる。


3.「課題文要約論述」というタイプ
これは小論文入試で最も多いタイプ。
要約と言っても全体要約、部分要約、下線部説明など様々ですが、要約したものをふまえて、後の論述に活かすという問題。
国語の要約と違い、課題文が長く、解答字数も長い。
したがって自分なりにまとめるというよりも、課題文の文言を出来るだけ使って、それを整理する作業になる。課題文のどこに何が書かれているのかという事を読み取り、論理的に説明できるかが勝負でしょう。


4.「図表問題」
基本的に、図表から、読み取り問題点の推測対策、という事が問われます。
読み取りは、図表の大傾向、特徴を読み取り、数値化していく作業。
問題点の推測は、その表から何が言えるのか、何を調べようとしているのか、見抜く力が必要です。
対策は、個人的な対策、社会的な対策、技術的な対策、その他、図表の分野によって異なるが、具体的かつ現実的なものが要求されます。


5.「図版問題」について。
写真や絵をみて、物語や批評を書かせるもの。
芸術系の入試に多く観られます。
ありきたりなあらすじと、つまらないオチだけの物語は駄目。
図版からどんな発想が可能か、どんな場面を選択するのか、どう描くのか、工夫が必要です。
批評に関しては、その分野の最低限度の知識や体験を活かしたものが望まれます。
ちなみに、文章や図表との組み合わせで出題される事もあります。



小論文の課題文は、学部系統に分類することが出来ます
人文系、教育系、社会科学系、医系、自然科学系、その他。
大学側は、そうした問題によって、その学部に関する受験生の知識や興味関心、資質などをみることが出来る。
したがって、受験生は自分が進んでいく分野について、多少学んでおく必要があるということになります。ただし、学部とその小論文問題の傾向が一致するとは限りません。
私大医学部などは、人文系の課題文が出題されることが多いのです。
ということは、あらかじめ小論文の傾向を調べておく必要があるわけなのです。
注意したいのは、自分の志望学部の学問分野ではない課題文しか出ないからといって、その分野について学ばなくてよいわけではないということなのです。
別の分野の問題が出題されても、自分の知識や興味関心とリンクさせて解答できる場合があるし、志望理由書 作成や面接にも役立つことがあるからです。

そもそも、大学で学びたいことについて、少しは知っておくべきなのかもしれないですね。

では、また



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